ターミナル
アメリカ、ジョン・F・ケネディ国際空港の国際線ロビー、入国手続ゲートでクラコウジア人のビクター・ナボルスキーは足止めされていた。ビクターの母国クラコウジアは、彼が乗った飛行機が出発した直後にクーデターが起こり政権崩壊状態に陥ったため彼のパスポートは無効状態となり、入国ビザは取り消されていたのだった。アメリカに入国することも母国に引き返すこともできず、人道的保護などの救済措置も受けられず、ただ事態が好転するのを待つよう言い渡された彼は空港ターミナルビルか ら一歩も出られないまま、無期限に過ごすことになってしまった。しかし、ビクターは驚異的な順応力を持っていたため、改装工事中のロビーに寝泊りし、小銭 を集めて腹を満たし、本を買って英語を憶えていく。空港の保安責任者フランクは、入国目的すら分からない不審な男に長く居座られまいと様々な工作や嫌がら せを行い、ビクターが自主的にターミナルから飛び出したくなるよう仕向けるがビクターは仕事を見つけ、次には仲間を見つけ、ついには恋をする。